眩暈がするほどの寒さのせいか、足早に階段を駆け上がった。
まだ夕刻前だというのに人の気配はない。
最上階への階段を上りきろうかというそのとき、
聞き覚えのない誰かの話し声が耳に飛び込んできた。
「誰だ?」
とっさに近くの椅子に身を潜め、声の主の正体を探ろうとするが
冷蔵庫とガムテープが邪魔になりその顔だけが見えない。
もう少し、もう少し、と苛立ちながら執拗にその方向を覗いていると
後ろから柔和な顔をした従兄弟に声をかけられた。
「これでも食べなさい」
差し出されたその手には山盛りのお新香が載せられている。
異常に空腹を感じ始めた自分は、周りの目も気にせずそのお新香に手を伸ばす。
食べる食べる食べる。
気づいたらお新香は口の中で粘土になっていた。
これが今朝見た今年の初夢です。
誰かいい病院を紹介してください。